リーダーラボからの問題提起

私たちリーダーラボは中小企業の成長と発展を願って日々、コンサルティング活動に従事しています。

さて中小企業経営者の皆様、いま御社は、理想の姿に近づいていると言えるでしょうか。
もし近づいているとは言いづらい皆様には以下をお読みいただきたいと思います。

あるメーカーを興した社長がいました。当初は望むだけの仕事を十分に得ることができなかったそうです。そこでやむなく、大手企業の下請け仕事で食いつなぐことにしました。
大手企業の業績は堅調で、この会社からの受注量が増えていったため一見、会社は順調に成長しているかのようでした。
しかし実は毎年大手企業からはコストダウンを要求され採算性は悪化の一途でとても理想の姿とは言えない状況にありました。
採算性が悪くなったため、質を量で誤魔化すがごとく、もっと仕事を増やさねばと他の大手企業から割に合わない仕事の受注を増やしていったそうです。
当たり前の結果なのですが、忙しいばかりで経営者も従業員も疲弊していったといいます。
社長は、急場を乗り切るために自ら現場に出て仕事をこなしたそうです。
あるべき姿が他にあると知りながら今の状況に甘んじたそうです。やってもやっても儲からない『地獄』であったと言います。

 

あるサービス業に従事する会社では、受注機能を持たないためブローカー的な会社に半分ほどのフィーを持っていかれるそうです。
『こうありたい!』と思う姿とは程遠く、ラットレースのようでもあり、アリ地獄にはまっているようでもあると言います。

 

これらの会社とは違い、実は多数の中小企業が理想の姿に変わるために自立しようとチャレンジします。しかしその多くは道半ばで理想の姿になることを諦め、以前の姿に逆戻りするようです。そうなると次に訪れるのは諦め、無気力ということになるでしょう。

 

そこでこんな空想をしてみてほしいのです。ここにあなたの意見に対して何かを加えてくれたり、時にはたしなめてくれたり、あるいは経営者マインドを備えた提案をくれる幹部がいたとします。
あなたの守備範囲にしている仕事を受け持つことも可能だし、経営課題の解決を担うことも可能です。
どうですか?そのような条件が揃えば今以上の成長・発展が図られ、会社の理想像が実現できるとは思われませんか?


多くの社長は『地獄』から逃れようと一瞬は取り組みを始めます。しかし食い扶持を得るための活動、すなわち管理活動がおざなりになって様々な問題が起こるようになります。
幹部がいないからであり、厳しい言い方をお許しいただけるのであれば、これまでの社長の仕事を任せる幹部の育成を怠っているからだと言えます。
幹部を養成するという本質的な課題をクリアすることを経営課題の中核に置き、今こそ取り組みを始めるべきなのです。

 


 次に経営幹部には恵まれているのに社員たちが辞めてしまう、学ばない、モチベーションが低い、生気がないなどにより経営が安定しないことがあります。
我が国は労働力が不足しています。以前は介護、飲食、建設等でその傾向が顕著でしたが、その後、小売業、サービス業で十分な人手を充足できておらず、最近ではその動きがメーカーにまで広がってきています。
労働集約型産業においては例えばロボットや電子機器を活用するなどして、『人』という資源に対する依存度を下げる努力が必要です。
ただし、例えば小売業においてすべてを自動販売機にすることなど考えられないし、すべてのバスやタクシーを無人運転できるようになるまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。
そのような努力は今後も必要としても、やはり『人』に頼らねばならない仕事は多く、今後は良質な人材を常に企業内に引き留め、さらに育てて活躍してもらわなければなりません。


3年で3割の新入社員が辞めると言われます。中小企業に限ればその割合は規模の小ささに比例して増加するという統計もあります。
ここに手を打っているでしょうか。
希望を持って入社した若者が、先輩や上司からの適切な指導も受けられず、また自分自身に対する評価もなく、さらには成長の機会も得られずにいたら、将来が不安になり、孤立感を高め、辞めていっても不思議ではありません。


営業部署に従事する者たちは、高成績が残せれば周囲からの期待と信頼が生まれ、自己肯定感が芽生え、将来に対する希望も生まれてイキイキと働き続けることができるでしょう。
ところが高成績者がいれば、低成績者がいるのは当たり前で、これを伸ばすのが経営者や管理者の役割であるのに、叱るばかりでいつの日か将来への可能性さえも見切ってしまうようでは会社を辞めていくのも致し方ありません。
何となく暗く、チャレンジ精神に欠ける元気のない社内の雰囲気を放置しておいたら、そのような場所から人が逃げたくなる気持ちもわからないではありません。

イキイキと働ける環境づくり、、労働条件や人事諸制度の整備、教育制度の充実やコミュニケーション改革などを通じて、皆が力を出し切る会社、それぞれの力が交わってシナジー(相乗効果)が生まれるような会社を作らねばなりません。このような取り組みを通じて、社員が働き続けるとともに次の良質な従業員が入社を目指してくれるような善循環をつくり上げるべきなのです。

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